保険証が「いつまで使えるのか」という疑問は、退職・転職・引っ越しなど生活の変化があるたびに気になるものです。さらに最近では「マイナ保険証（マイナンバーカードの保険証利用）」の導入も進んでおり、従来の保険証とどう違うのか、どう切り替わるのかについても注目されています。
この記事では、従来の保険証の使用期限や、マイナ保険証との兼ね合いについて詳しく解説します。
退職後の保険証はいつまで使えるのか？
会社を退職した場合、健康保険証は「退職日まで」が有効です。たとえ手元に保険証が残っていたとしても、退職日を過ぎての使用はできません。
退職後、次の保険証が届くまでの間に医療機関を受診したい場合は、いったん自費で支払い、あとから新しい保険に「療養費請求」を行うことで払い戻しを受けることができます。
転職先の保険証が届くまでの対応方法
転職後は新しい勤務先で健康保険に加入しますが、保険証の発行には数日かかることがあります。前職の保険証はすでに無効となっているため、新しい保険証が届くまでの間は自己負担での診療を受ける必要があります。
このような期間をカバーするためにも、事前に保険担当者と相談し、仮の証明書（資格取得証明書）を発行してもらえるか確認すると安心です。
国民健康保険に切り替える場合の注意点
フリーランスになる場合や転職の合間で就業先が決まっていない場合は、住民票のある市区町村で国民健康保険への加入が必要です。
この切り替え手続きが遅れると、未加入期間中の医療費が全額自己負担になってしまいます。退職後すぐに市役所で手続きを行い、保険証を受け取っておきましょう。
マイナ保険証とは？従来の保険証との違い
マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みのことです。事前にマイナポータルなどから「保険証利用の申し込み」をすることで利用が可能になります。
マイナ保険証を利用することで、医療費がわずかに安くなったり、過去の診療情報を医療機関が確認できるなどのメリットがあります。ただし、マイナ保険証を利用していても、保険資格そのものが失効している場合は無効となります。つまり、「保険証として登録されたマイナンバーカード」であっても、退職日を過ぎていれば保険証の効力はなくなるのです。
従来の保険証とマイナ保険証の両方は使える？
2025年現在、多くの医療機関では従来の紙の保険証とマイナ保険証のどちらも使える体制が整ってきています。ただし、政府は将来的に紙の保険証を廃止し、マイナ保険証への一本化を目指しているため、今後はマイナ保険証への移行が進んでいくと見られます。
現時点では、どちらの形式でも医療機関を受診することが可能ですが、有効な保険資格があることが前提です。
マイナ保険証を利用している人が退職した場合は？
マイナ保険証を利用している場合でも、退職すれば保険資格は失効します。そのため、医療機関でマイナ保険証を提示しても、「無効」と表示されてしまう可能性があります。
退職したら速やかに次の保険に加入し、マイナンバーカードに新しい保険情報が正しく反映されるよう、保険証利用設定を更新する必要があります。
保険証を返却しないとどうなる？
退職後は、会社から貸与されていた健康保険証を必ず返却しなければなりません。返却せずに使用してしまうと、不正使用とみなされることがあります。
また、マイナ保険証についても、保険資格が失効したまま利用を続けていれば、後日ペナルティや返還請求の対象となる可能性があるため、保険資格の状態には常に注意しておくことが大切です。
マイナ保険証の導入により、保険証の管理がよりデジタル化され便利になってきていますが、その一方で「保険資格の有効期間」についての意識も今まで以上に重要になっています。
「保険証はいつまで使えるのか？」という疑問に対して、正しい知識を持ち、適切なタイミングで手続きを行うことで、トラブルや無駄な医療費を避けることができます。生活の変化があるときには、保険証の状態を必ず確認するようにしましょう。
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